エクス・マキナ

エクス・マキナ 監督 アレックス・ガーランド 時代としては現在あるいは、遠くない近未来での話。エンジンで有名なIT企業ブルーブックでプログラマーとして働くケイレブはある日、抽選で社長ネイサンの自宅を訪問する権利を得る。ケイレブは広大な山岳地帯の奥にあるネイサンの自宅近くまでヘリコプターで移動する。ケイレブは道しるべも何も無い中なんとかネイサンの家にたどり着く。ケイレブはネイサンが遊び暮らしているものと思っていたがそこにはネイサン以外、誰とも出くわさないことに気づく。ネイサンはケイレブに機密保持契約の書類にサインさせた後、この自宅が人工知能の開発研究施設であることを明かす。ネイサンはケイレブに彼の人工知能にチューリング・テストを行うよう依頼する。 この映画でのIT企業ブルーブックは実社会のグーグルのようなものであり、検索エンジンからの膨大なデータを利用して、人工知能を完成。ケイレブは、透明な壁に囲われた部屋の中で暮らすガイノイドのエヴァと対面する。エヴァは顔面と手、足先のみが皮膚で覆われているが残りの部分は機械の内部構造が透けて見える姿をしている。 チューニング・テストとはアラン・チューリングによって考案された、ある機会が知的かどうか(人工知能であるかどうか)を判定するためのテストであり、30%の人間が人工知能を人間であると判定すれば合格である。ちなみにチューリング博士の没後60周年にあたる2014年6月8日に開催された「Turing Test 2014」において「ウクライナ在住の13歳のユージーン・グーツマン少年」という設定のスーパーコンピューターが合格するという快挙を達成しています。 イミテーションゲームを観た人なら主人公が刑事に自分が人間であるかどうかを問いた、あのテストですね。またホーキング博士が「完全な人工知能を開発できたら、それは人類の終焉を意味するかもしれない」と語っていましたが、ホーキング博士を主人公にした映画でも同じベネディクト・カンバーバッチが主演してるのはおもしろいですね。 映画ではチューリング・テストを続ける度に、機械と人間との境界線はどこであるか、試験が不合格であった場合、エヴァはどうなるのか。エヴァに感情を移入していく、ケイレブはどのような経過をたどるのか。AIに自我は生まれるのか。見所はたくさんありますが、シンプルかつ洗練された映像と音楽。ミステリアスかつシリアスであるストーリーやテーマに引き込まれます。

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