ぶらり諫早ドライブ

施設管理者のOです。先日、ちょっと空いた時間に、1時間ほどお二人の利用者様と諫早市内をドライブしました。思い付きで外に出たので、運転しながら、諫早と言えば・・・と考え、諫早公園(眼鏡橋)、本明川、諫早駅、諫早神社など思いつくまま、気ままにドライブ。Aさんは、車窓から田舎道を眺めて、「懐かしいなぁ。昔を思い出すよ。この道をよく歩いたなぁ。あのバスに乗っていろんなところに行ったなぁ。こんな日和の良い日があったなぁ。思い出して、涙が出てくるよ。」と話されていました。その方のお生まれは長崎市内ですので、きっと「この道」を歩いたことがなかったとしても、何か忘れがたい思い出が、田畑の広がった田舎道にあって、幼少期、青年期などの淡い記憶を思い出されているのかなぁと思いました。ちょっと話は逸れますが、私も「懐かしい」と感じることが日常生活の中であります。例えば、学生時代に流行した音楽を耳にしたり、行き着けた場所を久しぶりに訪れたり、SNSなどで同級生の現在を知ったり・・・当時は、それなりにツラいと思うことも、「逃げ出したい」と思うこともあったのですが、それも含めて、今では良い思い出として、笑って話せるようになりました。それなりに時間が経過したのだから、当然のようではありますが、私はすごいことだと思うのです。例えば、すごく恐い先生がいて、よく怒られていたこととか、部活で無茶な練習をしていたとか、叶わなかった恋とか・・・。ギュッと切なくなる思い出もあるけど、どこか温かさがあるように感じます。ちょっと話は逸れましたが、ドライブの続きに戻ります。Bさんは、屋内では見当識障害があり、場所を覚えることや認識することが難しい方なのですが、外出すると、「ここは福田神社ですね。」、「諫早駅でしょ。わぁ、建て替わりよっとですね。」、「本明川たいね、水害の時はね、女子(おなご)の私も土方の手伝いばしたとですよ。」などと景色を見ながら、エピソードを交えて話してくれました。さすがは諫早の方。慣れ親しんだ街のことは、しっかり記憶に残るんだなぁと思いました。「認知症」になったからといって、全てを忘れてしまうわけでも、その人じゃなくなるわけでもないと改めて実感しました。「ちょっと気分転換」のつもりで外出しましたが、なんだか「懐かしむ旅」になって、それはそれで、回想法のようにも思えて、なかなか良いものだなぁと思いました。今度、私も実家の近くを散歩してみようと思います。

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